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活性化する母県との交流=熊本文化交流協会=地元TVが百周年特番取材=10月に大慶祝団が訪日=来年は知事迎え50周年

ニッケイ新聞 2007年9月7日付け

 日本移民百周年に向けて、熊本文化交流協会(福田康雄会長)と母県との交流が活発化している。地元の熊本放送は来年放送予定の百周年特別番組とシリーズ番組を企画して取材に訪れているほか、母県で行われる〃移民の父〃上塚周平の銅像除幕式や熊本築城四百周年などに参加するために同協会から約百人もの大慶祝団が来月に訪日、さらに来年の同協会創立五十周年式典には母県から百人もの来賓を迎え、世界熊本県人大会なども予定されており、着々と準備が進んでいる。
 「このシリーズ番組は全国に向けても放送したい」と熊本放送の松原庸児ディレクターは意気込む。同局では二年前から百周年特別番組の企画を練っており、すでに下見も終え、今回の撮影に臨んでいる。
 株式会社オフイスユニオン中川亮映像部長と二人で八月二十日に来伯し、九月七日に帰国するまでの約二週間に、サンパウロ市内やマリリア、プロミッソンなどの熊本県出身者を訪ねてまわり、移住の苦労や祖国への思い、現在の生活状況を取材してまわった。
 そのほか第二次大戦後に起こった勝ち組負け組抗争などの話をドキュメンタリーとして放送する予定。同協会で行っているカラオケ教室や絵画教室などの活動状況なども取材した。
 特別番組の放送は来年三月に一時間予定している。その他に、夕方のニュースの時間などを使って一週間ほどのシリーズとしても放送するという。
 一方、来月八日には同協会から、一県人会としては大規模な約百人の慶祝団を母県に送る。これは同県出身者以外に、上塚植民地入植者ら上塚周平の縁者も参加する。
 日本では、出生地の城南町にある町営「火の君総合文化センター」の庭園内に建立された上塚周平の銅像除幕式や、熊本城築城四百周年記念式典、県庁訪問、熊本学園大学のフォーラム参加などの日程が組まれている。
 同協会の福田会長は「銅像が建てられるのは大変嬉しい。来年に向けて多くの人が来てくれるようにアピールしたい」と訪問に対して感想を語った。
 さらに来年十月には、移民百周年の記念式典と熊本県人世界大会を開催する予定だ。記念式典には日本から県知事を含めた約百人からなる慶祝団が来伯し、盛大に式典を行う。
 それに合わせてサンパウロ市で行われる熊本県人世界大会では、約二十カ国に参加を要請しており、現在ペルー、アルゼンチン、ハワイなどからは参加の返事が返ってきている、という。「ほかの地域からもあせて百人前後は参加するのでは」と同会長は話した。〃移民大県〃の面目躍如ともいえそうな活動ぶりだ。