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株式市場、再び同時安=米雇用減少受け=ボベスパも波乱含みか=経済恐慌懸念の声も

ニッケイ新聞 2007年9月11日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日、一部エスタード・デ・サンパウロ紙八日】アメリカの住宅産業のサブプライムローン(住宅金融ローン)の焦げつきに端を発した経済不況が世界に飛び火して、世界的金融不安に陥る状態がここ数カ月間続いている。こうした不安定な状勢の中で、アメリカ労務省が七日、八月度のアメリカの雇用が二〇〇三年以来四年ぶりに四〇〇〇人減少したと発表したことで、不安に火を注ぐ形となり、金融アナリストの間では経済恐慌を懸念する動きも出ている。
 アメリカ労務省が七日発表したところによると、八月の雇用は四〇〇〇人減少するという四年間で初めての現象を見せた。関係筋では一一万人の雇用増加と見込んでいただけに、根強い不況にショックを隠せないでいる。
 住宅産業のサブプライムローンは一時的な現象で、落ち着きを取り戻すとみられていただけに、その波及が大きいことから住宅産業の不況が他の業界に幅広く影響を及ぼしていることが実証され、経済の低成長もしくは経済恐慌(リセッション)の危惧が高まっている。
 この動きを敏感に反映して七日の世界株式市場は一様に下落した。ニューヨークのダウ平均株価は一・八七%、ナスダック店頭株価は一・八六%とそれぞれ下げた。この余波でパリでは二・六三%安、フランクフルトは二・四三%安、ロンドンは一・九三%安、メキシコは一・八三%安となった。東京の日経平均株価は〇・八三%安の終値となった。サンパウロは七日が独立記念日で休日だったため取引が行われなかったが、連休明けにどう反応するか注目されている。
 アメリカの住宅産業の不況に対し、ブッシュ大統領は支援政策を打ち出して歯止めをかけた矢先だが、連邦準備制度理事会(FRB)でも今月十八日の会合では政策金利を〇・二五%から〇・五%引き下げるとの見方が強い。これにより現行の年利五・二五%を年内に四・五%に引き下げるものと見られている。
 グリーンスパン元FRB議長は、現在のアメリカの状況は一九八七年と九八年のリセッションの様相と類似しているとして注意を呼びかけている。八七年にはニューヨーク株が一夜にして二三%の大暴落をして経済恐慌に突入したことを思い出している。
 国際通貨基金(IMF)のラット事務総長は、アメリカの不況で世界の経済が変動するため今年および来年の予想の見直しが必要だとしている。とくにヨーロッパ諸国と日本経済へのインパクトは大きいものだとした上で、それでも両地域は小幅ながらも経済発展に向かうとの考えを示している。さらに開発途上国は影響が見られず、経済成長は大幅になるとの見方をしている。