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第2・四半期=GDP成長5・4%=3年ぶりの高い水準=消費と生産ともに伸びる

ニッケイ新聞 2007年9月14日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジル地理統計院(IBGE)は十二日、第2・四半期の国内総生産(GDP)は六三〇二億レアル、前年同期比で五・四%増加したと発表した。この数値は二〇〇四年第2・四半期(七・五%)以降では最高を記録。今年第1・四半期比は〇・四%、上半期では四・九%、今年六月までの過去十二カ月間では四・八%の成長となった。
 家族消費を中心とする国内需要の過熱が工業生産や設備投資の拡大につながったことがGDP成長率上昇の主要因とIBGEはみている。貿易は輸出を上回る勢いで輸入が増加し、インフレ抑制と国内需要の増加に貢献した。
 需要面では、家族消費が第2・四半期に前年同期比五・七%増加した。増加は十五・四半期連続。上半期では五・九%となり、一九九七年(七・一%)以降では最も高い伸びを記録した。所得(五・二%)と個人向け融資総額(二六・五%)の増加が消費を下支えした。
 設備投資は第2・四半期に前年同月比で一三・八%、今年上半期には一〇・六%増加した。設備投資は十四・四半期連続で増加が続いている。IBGEは、金利低下と企業への融資拡大が設備投資を後押ししたとみている。投資の約半分を機械設備が占めており、生産能力の強化を通して今後の成長を支える潜在的力になっているという。
 また、貯蓄率も上昇し、GDPに占める割合は〇四年第2・四半期(二〇・三%)に次いで高い、一九%を記録した。
 供給面で注目されるのは工業生産で、第2・四半期に前年同期と比べ、六・八%増加した。部門別にみると、加工部門が七・二%と最も好調で、機会設備、自動車、電気製品、化学、金属で伸長が著しかった。建設部門は六・三%、電気ガス水道などインフラ部門は六・一%、鉱業部門は五・九%だった。
 商業・サービスは四・八%の成長で、金融・保険部門が九・六%とリードし、商業(八・一%)、情報(七・五%)と続いた。
 今回の結果について、マンテガ財務相は「景気は一過性のものでなく、成長サイクルに入った。二十二・四半期連続の成長で、現在のところネックがなく、今後も成長が続くだろう」と述べた。ベルナルド予算管理相も、設備投資の増加が二〇一〇年までの五%成長を保証すると楽観的観測を示した。
 一方、エコノミストの中には、GDP成長が潜在的成長力を超過し、インフレを引き起こさず成長を続ける限界を突破していると評価する者もいて、税制・労働行政などの改革やインフラ整備を通じて生産性を引き上げる必要性があると主張している。八月に米国で発生した金融危機の影響は今年第4・四半期以降、来年になってから大きく現れると予想している。