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会議所セミナー=金融資産の増やし方をきく=対象、お金持ち=サービス、国内銀行でも=講師、ブラデスコから

ニッケイ新聞 2007年9月14日付け

 「ブラジルの金持ちに学ぼう―金融資産の増やし方と守り方」と題し、ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)金融部会は、ブラデスコ・プライベート・バンキングのジョアン・アルビーノ取締役らを講師にセミナーを行った。「ブラジルで金持ちは増えている」「レアルプラン以降、投資の仕方は変わった」「資金を分散するためにも(投資を)海外にむける見方がある」。資産百万レアル以上の富裕層向けサービス「プライベート・バンキング」を例に、昨今の投資の傾向を紹介した。
 「リスクを最小に、得るものは最大に」と、投資の原則から講演を始めたアルビーノさん。十億ドル以上の資産を有する大富豪は、ブラジルに十九人おり、以前、スイスの大手銀行二、三行のみが行っていた〃金持ち向けサービス〃を、今ではブラデスコ、イタウなど国内の銀行でも競合して扱うようになっているという。
 ジョアン・パウロ国内部門部長は「経済が不安定だった頃は、資産を守るための投資先は不動産だった。貯蓄のドル化も行われていた。が、九四年のレアル・プラン以降変わった」と推移を説明。
 経済が安定した現在では、リスクを押さえ、様々なものをベースに、より金利の高いものを求める分散投資が多い。公定歩合、インフレ率、為替の変動や株価指数などを鑑みても「お金を株式にするメリットは高い」と話した。
 海外への投資について、マルコス・ゴンサルベス海外部門部長は、投資の行き先はカイマン諸島などのタックス・ヘイブン(租税回避地)が多いとして、海外に自分の口座を作るやり方と、会社を設立する方法が紹介された。
 「ブラジルの株式市場は過熱気味か」「中国の成長に依存したものか」との会場からの質問に対して、ゴンサルベス氏は「(ブラジルが)投資適格国入りすれば、大幅な資金流入を受けて株式市場が大きくなる可能性がある」。アルビーノ氏は「中国の影響があるのは事実だが、中長期で伸びていく」と答え、「私なら迷わず証券取引をやる」と話した。
 また、ブラジルは株取引での収入はすべて自己申告(日本は源泉徴収または自己申告)となっており、「申告については銀行も追及しないので納税者が決める」。アルビーノ氏は「現在のシステムでは、政府は株での儲けを把握できないし、システムを変えようという動きもない」と説明した。ただし、投資信託については源泉徴収である。