ニッケイ新聞 2007年9月14日付け
毎年恒例の元コチア組合関係先没者の慰霊ミサ(コチア組合清算委員会、コチア青年連絡協議会、コチア旧友会の共催)が、二十二日午前十時からコチア市のサント・アントニオ・デ・ポルトン教会(Rua Jorge Caichi Praca Portao Cidade Cotia SP)で行われる。
コチア産組の創立者の下元健吉氏はコチア青年にも多大な尽力をしたため、亡くなった五七年の翌年からこの慰霊ミサは始まり、今回で五十回目を迎える。
同氏は一九一四年に十六歳で来伯。ソロカバナ線ボア・ビスタ耕地に入植。一年で見切りをつけて、コチア村に入植した。
二五年に妻所帯を得るために一時帰国。同時に地元で産業組合の知識を得て翌年帰伯した。二七年には八十三人の創立組合委員を持ってコチア産業組合を創立し、初代組合理事長に選ばれた。
また、第一回のコチア農業移民(千五百人)を受入れるために、五五年に日本を訪れ様々な地域を奔走し、農業移民などの募集をかけた。
コチア産業組合創設から、農業移民を受入れなどの基礎を築いた。しかし、五七年九月に定例評議会の直前に「組合を守れ」との言葉を残して亡くなった。享年五九歳だった。
関係者からは「あと十年下元さんが生きていれば、もっと素晴らしいことになっていたにちがいない」と早すぎる下元氏の死を悔やむ声が聞かれた。
真里谷ドミンゴスコチア旧友会会長、志村啓郎同会顧問、長田勝同会役員、村田重幸コチア青年連絡協議会書記らが案内のために来社。「節目の五十年なので、多くの人が参加して欲しい」と呼びかけた。