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サンパウロ市で囲碁棋聖戦=来年1月=100周年交流事業最初の〃華〃

ニッケイ新聞 2007年9月15日付け

 囲碁の第三十二期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第一局が、来年一月十二、十三日、サンパウロ(G・M・モファレジホテル)で行われることが決まった。移民百周年の日伯交流記念事業として登録され、交流年の最初のイベントとなる。山下敬吾棋聖と挑戦者(現在未定)が来伯する。会場の下見などに岡崎裕哉読売新聞東京本社編集局文化部記者が、このほど来聖した。
 囲碁のタイトル戦がサンパウロで開催されるのは、九一年の第十五期棋聖戦第一局(小林光一棋聖対加藤正夫挑戦者)以来、十七年ぶりとなる。日本棋院南米本部(岡正躬理事長)が、成功に向け全面的に協力する。
 現在の山下棋聖は、第二十七期に棋聖を初獲得、翌年羽根直樹九段に敗れ、タイトルを失ったが、第三十期に羽根棋聖から奪還、第三十一期には小林覚九段の挑戦を退けた。今回は三連覇を目指す。挑戦者を決めるリーグ戦は大詰めを迎えており、Aリーグはすでに張栩九段(台湾系)が優勝を決め、Bリーグは羽根九段と趙治勲九段(韓国系)の戦いになっている。したがって、挑戦者次第では、ブラジルの台湾系、韓国系コロニアも大いに湧きそうだ。
 日本棋院南米本部の平松幸夫副理事長、村井修副理事長によれば、二度目のサンパウロ対局が企画されたのは、今年の春、日本棋院の岡部弘理事長が山下棋聖と読売新聞東京本社を表敬した際、「来年はブラジルへの日本移民百周年に当り、南米の囲碁ファンは、それを記念する大きなタイトル戦の開催を熱望している」と要請したのが発端。読売新聞社の内山斉社長は「大きな意義のあることであり、実現に向け検討したい」と応じたといわれ、このほど実現が決まった。
 二人の対局者のほか、立会人、解説、記録など五、六人の同行者がある。対局の前に、南米本部を会場に指導碁なども予定されている。対局前日の十一日は前夜祭である。