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世界柔道選手権=移民の伝えた柔道が花咲く=「日本には勝って欲しい」

ニッケイ新聞 2007年9月15日付け

 【リオ発=池田泰久記者】現在リオで開催中の第二十五回世界柔道選手権大会は十四日午後三時半現在で、日本勢の成績が期待はずれな一方で、地元ブラジル勢の活躍が目覚しい。
 男子九十キロ級泉浩選手が三回戦でロシアの選手に惜敗した。男子八十一キロ級塘内将彦選手は、二回戦でアゼルバイジャンの選手と対戦し敗れた。
 また、女子七十八キロ超級の塚田真希、七十八キロ級の中沢さえ両選手が決勝で敗れたが、銀メダルを獲得した。七十キロ級の岡明日香選手は初戦でアメリカの選手に敗れた。
 ブラジル女子六十三キロ級のダニエル百合・中沢選手は初戦で敗退。同階級の谷本歩美選手はベスト16まで駒を進めている。
 注目を集めているブラジル男子七十三キロ級チアゴ・カミール選手はベスト4まで進んでいる。
 観戦に訪れていた松田四郎(66、一世、リオ市在)さんは市内で柔道の先生をしている。同氏はブラジルのチアゴ選手に触れて「恵まれた体格と日本の技術を得て良い選手になった」と評価し、「長年移民が苦労して伝えた柔道が花開いたのでは」と嬉しそうな顔で話した。
 観戦に訪れていた僧侶の佐々木陽明さんは「日本の柔道が世界に広がったのは嬉しい。でも、やっぱり日本には勝って欲しい」と複雑な表情を浮かべた。