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ピラール・ド・スール=敬老会2時間半の舞台=子供たち生き生きもてなす

ニッケイ新聞 2007年9月18日付け

 【ピラール・ド・スール発】当地文化体育協会(城島将男会長)の第二十九回敬老会が一日午前九時より地元文協会館で催された。文協会員数約百八十家族から、七十一歳以上の高齢者が八十二人の高齢者がお祝いされた。最高齢者は百二2歳の長浜ふでさん。長浜さんは四五年年、この町における最初の邦人入植者として足を踏み入れ、以来この町の日系社会の歴史と共に過ごしてきた。
 城島会長がこれまでの高齢者の功績を称え、日本語学校の岡田えりさんからは「いつまでも長生きして、これからもたくさんのことを教えてください」とあいさつがあった。
 表彰者の名前が一人ずつ呼ばれ、紅白の餅や当市でプロポリスの製造・販売を行っている寺尾貞亮氏より寄贈されたプロポリス、日本語学校の生徒達が作ったプレゼント、婦人会が心を込めて作ったお弁当などが配られた。
 その後、記念撮影が行われ、乾杯があり昼食。昼食の後は余興、太鼓部の演奏により幕が開けた。子供だけで活動を行っている太鼓部は活動五年目。今年小さい子を中心に部員数が増えており、週三日の練習では皆で教えあい常に活気があるという。年々上達してきており、高齢者たちも太鼓の持つ日本的な響きに感動し、日本伝統文化に真剣に取り組む子供達を熱心に見つめていた。
 婦人会や母の会、日本語学校教師も数曲の踊りを披露した。この日のために、夜、会館に集まり練習したとあり、見事な踊りを見せ、踊り終えると成功と安心感とから喜びの声を上げていた。
 日本語学校からは、合唱・合奏・劇・踊り・ショーなど十一の出し物が用意され、おじいちゃん、おばあちゃんたちは孫・ひ孫たちの発表を温かい目で見守っていた。全児童による合唱「歌でつづる日本行事」では、ひな祭りや七夕、雪やこんこんなど昔から親しまれている唱歌をメドレーで十曲歌った。懐かしい歌に、会場では高齢者を始め婦人会の人などもいっしょに口ずさみ、また子供達に日本の唱歌が受け継がれていることに感動した様子が伺えた。
 そして、YOSAKOIソーラン。太鼓部とともに地元日系社会の活性化に、と大きな期待をされているこの「ソーラン」、数年前から始め、地元文協では楽しみにしている人も多く、評判はピラール・ド・スール市のブラジル人社会や近郊の町にも広がり、先月行われた聖南西芸能祭では、最後に会場全体で踊り、太鼓部と共に芸能祭を大いに盛り上げたとのこと。
 この日は〇六年版と今年新しく始めた〇七年版の二種類を披露した。〇六年版は十四歳を中心とした昨年までのメンバーの十人が力強いそろった発表を、〇七年版は七歳以上の二十九人が舞台狭しと舞台下にも広がり、鳴子両手に迫力ある踊る発表を披露し、会場からは大きな拍手が起こった。
 プログラムは二時間半に及んだが、その大半を占めた子供による発表により終始活気に満ち溢れていた。