ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 公立校より私立校?=連邦大学は公立出身に軍配

公立校より私立校?=連邦大学は公立出身に軍配

ニッケイ新聞 2007年9月19日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】子供の将来を思うなら私立校に入れよ。公立校はあまりよくない。こんな考えを持っている人たちは結構いる。
 ところが、連邦大学の学生に限れば、学業成績を比べた場合、公立校出身者のほうが私立校出身者よりも良い結果を出している分野が五三・七五%ある(私立校出身者のほうが良い結果を出している分野は一八・七五%)。
 これは全国の大学生を対象に行われる高等教育試験によるもので、医学、法学、経営学といった伝統的分野では、私立校出身者の方が好成績を残しているが、ジャーナリズム、土木工学、化学、建築学といった分野では公立校出身者の方が好成績を残している。
 この傾向について、教育省教育研究院担当者は、公立校でよい成績を収めている生徒はより良い評判の大学を受験するためと分析している。また、公立校から入学する学生の学習意欲の高さを指摘する声もある。
 公立校からの生徒の学習意欲の高さは連邦大学以外でも指摘、評価されており、カンピーナス州立大学の調査や、奨学金や授業料免除といった特典を受けている私立大学生対象の調査で、公立校出身者の成績は私立校出身者より高い傾向が確認されている。
 ちなみに、九〇〇万人の高校生のうち八七%は公立校の生徒だが、大学ではその比率は四五%になり、大半が教育学、文学、数学、行政書記官養成コースなどに進む一方、医学部では八・二%しかいないなど、コース選択のあり方にかなりの差が認められる。