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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2007年9月19日付け

 高齢者向けデイ・ケア・サービスの需要が多いらしい。これは「もてなし」のことだ。一日を単位とし、決まった時間に複数の人たちを世話し、楽しませ、生きる喜び、張りを味わってもらう。キリスト教の教会が積極的にすすめている▼一教会の最近の案内をみると、こうだ。「楽しい歌をうたったり、お話を聞いたり、体操で体を整え、衛生講話や血圧測定、ゲーム、昼食など楽しい時を過ごしたいと用意しています」▼一般向けに案内しなくても、サービスを受けたい希望者が多過ぎて、ヴァーガがなく、空くのを待っている所もある。ここは、一回に受け入れる定員が十五人、週二回実施し、別の人たち十五人を迎えているので、合計三十人。世話をする人たちは、一回につき、高齢者一人に対し大体二人、ボランティアたちである。一対一では、細かいところまで手がまわらないというから、いかに世話が大変か理解できようというものだ▼たいていの高齢者には、自宅から付き添いが来る。しかし、中には九十歳を越しているのに、一人でバスと地下鉄を乗り継いで来る人もいるそうだ。なぜこれほどまでに、と思う。一番の理由は家で話せない日本語が話せる、同年代とおしゃべりができる、だ。ごちそうが「次」というあたりが面白い▼デイ・ケア・サービスを受けられる環境にある高齢者は、自分がしたいことができる、という点だけでも恵まれている。実施者が教会以外にも広がれば、楽しい思いをする人たちが増える。(神)