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貧困者数、昨年10.6%減少=最賃調整と所得支援策が奏功

ニッケイ新聞 2007年9月20日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日、一部エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭調査(Pnad)によると、二〇〇六年の貧困者層は四九〇四万三〇〇〇人、総人口の二六・九%(〇五年は三〇・五%)となり、前年比一〇・六%という過去最高の減少率を記録した。
 また極貧層も一〇三六万三〇〇〇人で、〇五年の六・八%から〇六年は五・七%へと、一五・二%の減少を記録した。これに基づくと、〇六年中に五八四万一〇〇〇人の貧困者が、また一八五万五〇〇〇人の極貧者がその階層を離れたことになる。
 この調査では、貧困・極貧の基準を地域ごとに設けており、サンパウロ市周辺では家族収入が二六六・一五レアル以下が貧困、六六・六五レアル以下が極貧と数えられている。
 この貧困者層の減少は、〇六年に最低賃金が一三・三%調整されたことによる貧困者家族の収入増加、ならびに貧困家族手当(ボルサ・ファミリア)などの貧困対策の結果とみられるが、〇六年中の食料品の値上がりがインフレ率以下であったことも幸いした。
 ただし、この改善傾向は地域差があり、北部と北東部(より貧しいとされる地域)では減少率が平均値より低く、南東部、中西部ならびに南部では減少率が高い。この傾向は各地域の学歴と関係するとみられ、再び学歴と収入の相関関係を裏付けたことになる。また、貧困者の都市部集中化が進んでおり、その三六・五%は主要一〇州都周辺に集中している。