ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 8月の住宅融資が過去最高=ポウパンサを担保に=金融機関の競争も追い風

8月の住宅融資が過去最高=ポウパンサを担保に=金融機関の競争も追い風

ニッケイ新聞 2007年9月21日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ポウパンサ(貯蓄預金)を担保に持ち家を購入する人を対象とする金融機関の融資額が二カ月連続で増加し、八月に一八億レアルに達した。ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)が明らかにした。
 一八億レアルは単月では一九八四年以来過去最高の記録で、二〇〇二年の年間融資総額(一七億レアル)を上回っている。今年一―八月の総額は一〇三億レアルで、前年同期比七三・六%の増加、前年の総額(九三億レアル)をすでに突破した。
 「この調子が続けば、今年の総額は一六〇億レアルに達し、記録を更新すると我々は予想している」と同協会のフォンセッカ会長は述べた。融資対象の不動産物件も八月に一一万七二三七件と、すでに前年の総数(一一万三八七三件)を上回り、今年は一八万件を超えるとみられている。
 不動産市場の過熱は、融資拡大、返済期間の延長、返済額の固定化、抵当証券会社の参入による金融機関同士の競争激化を反映している。返済期間は九七年に三十六カ月だったが、〇二年に一〇〇カ月、現在は三六〇カ月(三十年)にまで伸びた。また、市場金利の基準となる基本金利(Selic)も十年前は年三八%だったが、現在一一・二五%にまで低下している。
 フォンセッカ会長によると、「毎月の返済額も小額になり、今は家賃と変わらないレベルになっている。〇四年は家賃の四倍に上っていた」という。〇四年は所得が最低賃金の一四倍以上の人が融資を受けられたが、現在は六倍(二二八〇レアル)の人もマイホームを手に入れられる。
 不動産市場への参入強化を狙う銀行と抵当証券会社など他の金融機関との競争で、不動産購入者は漁夫の利を得ている。抵当証券会社から一七万五〇〇〇レアルの融資を受け、コチア市に一一〇〇平方メートルの土地を購入した技術者の男性は、「銀行は手続きがとても煩雑で、融資も一括ではない。だから抵当証券会社を選んだ」と話す。一括で融資を受けたため、男性は早速、家を建て始めた。
 不動産販売の増加に伴い、家電製品特にシロモノと呼ばれる冷蔵庫や洗濯機の売上が伸びている。家電メーカーの団体、Eletrosによると、今年上半期に家電全体の売上が二・五%増に対し、シロモノは一三・一%増加したという。