ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 無記名投票廃止へ再挑戦=密室会議はこれで終わるか

無記名投票廃止へ再挑戦=密室会議はこれで終わるか

ニッケイ新聞 2007年9月21日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】無記名投票で事前の予想を覆した形になったレナン上院議長の罷免回避は多くの批判を呼んだが、十九日にもたれた上院の憲法法務委員会ではこのほど、無記名投票廃止に向けての憲法改正・補足案を全会一致で採択した。
 上院本会議は密室会議だと批判されてから一週間で打ち出された委員会案は、国会本会議での全議決を記名投票とするというもので、侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論の末に採択された。この改正案は直ちに本会議に上程の上、十九日中の採決をと試みられたが、その実現は多くの壁にぶつかりそうな様相を呈してもいる。
 レナン議長自身は、自分に関する他の表決が終わるまではこの法案の発効をなんとしても妨げる意向を伝えているが、政府関係者や多くの国会議員たちもすべてを公開することには反対で、大統領の拒否権の行使や最高裁判事の指名等に関しては無記名の形をとるべきだとしている。政府、与党側は、議員の罷免問題に関してだけ記名投票とするという改正案を本会議に提出するとみられている。
 新しい改正案起草の労働党(PT)のパイン議員は、二十一年にわたる無記名投票を終わらせるとしているが、憲法の改正案は上院で二回、下院で二回の採決を必要としており、それぞれ六〇%以上の賛成票を得る必要がある。二〇〇三年に提出された同様の改正案は、いまだに承認されていない。