ニッケイ新聞 2007年9月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】疑惑にまみれるレナン・カリェイロス上院議長が上院本会議で議員権はく奪回避と決まってからわずか八日となる二十日、上院執行部が第四の疑惑について、倫理委員会での調査を認める決定を下した。
新疑惑は、同議長やブラジル民主運動党(PMDB)議員らが、同党出身者が大臣を勤める省庁から公金を横領したとするもので、流出した金は、BMG銀行や社会保障院から承認を受けて年金生活者に貸付を行ったりしている諸機関に流れていたとされる。供託金として預け入れられた金に対し、BMG銀行からは見返りが払われていたとみられている。検察への告発は議長の盟友の元婿に当る弁護士が行った。
議長の第一の疑惑は、愛人の生活費と家賃、愛人に生ませた娘の養育費に絡む不正資金問題で、この件については上院本会議での審議、表決も終わり、議長は議員権はく奪を免れた。
第二の疑惑は、ビール会社スキンカリオールによるアラゴアス州のビール会社買収にあたり、五〇〇%の水増し売買契約を結んだ仲介人として告発されている件。見返りの金が兄弟の会社に支払われており、兄弟である上議の調査終了まで、倫理委員会での調査は中断している。
第三の疑惑は、アラゴアス州の新聞社一社とラジオ放送局二局を名義貸しの方法で購入したとされるもので、委員会からは同議長からの申し開きを期間を設けて受け付けるとしている。
一方、自宅で、新疑惑の審議が倫理委員会で行われることになったと聞いた同議長は、「いくら疑惑が出てこようと、同じ。潔白である者を訴えようとしても意味がない。」とうそぶいている。