ニッケイ新聞 2007年9月22日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】「大統領、俺を助けてくれ!」―叫び声がプラナウト宮(大統領府)のホールにこだまする。叫んでいるのは、バイーア州ピンドバス市からヒッチハイクで一五〇〇キロの道のりをはるばるブラジリア市にまでやってきた三十七歳の農夫。大統領に直談判を試みた男の想いは、警備員六人に取り押さえられ、あえなく果てた。
近くの病院に搬送された男は、四日間飲まず食わずで、ハンセン病を患っていると記者たちに話した。社会福祉司には、故郷の不正を訴えるため上京したが、お目通りはかなわない、大統領と話すのはあきらめたと告げた。
故郷の隣人によると、四人の子の父親の男は学校の衛生と安全、市の保健政策に強い不満を抱いていた。母親(69)によると、二週間前に精神に問題があると気づいた、事件の二日前には大統領に五〇〇〇レアルを頼むので生活が良くなると話していたという。
政府施設への侵入や抗議行動はよくあることで、二〇〇三年には露天商がウノ車でアウヴォラーダ宮に突っ込んでいる。