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外国直接投資、過去最高に=8月に年351億ドル=投資適格度上昇に期待し

ニッケイ新聞 2007年9月25日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】外国からの直接投資(IED)が八月時点の過去十二カ月間で三五一億ドルに達し、一九四七年にブラジル中央銀行が集計を始めて以来、過去最高を記録した。今年八月までにすでに二六五億ドルが流入しており、今年一年間で三二〇億ドルに達するのも困難ではないと中銀は予想している。
 中銀のロペス経済局長は、「三二〇億ドルを超える可能性もある。超えても驚くべきことではないが、現時点では三二〇億ドルと予想する」と述べた。二十一日までの中銀の公式予測は二五〇億ドルだったが、今のペースを持続できれば、年内にも三二〇億ドルを突破するとみられる。
 同局長によると、IEDの増加は経済安定化と、外国のリスク格付け会社によるブラジルの投資適格度上昇への期待が高まった結果だという。来年には、企業の吸収・合併に伴う一時的な資本流入を除く新規のIEDだけで二八〇億ドルに上ると、企業や業界団体への聞き取り調査と新聞報道に基づいて同局長は予想する。
 部門別ではサービス部門への投資が多く、今年一―八月のIEDの四七・三%を占めている。企業向けサービスは昨年に四・八%だったが、今年は九・七%へと倍増した。また、民間建設部門も増加が著しく、昨年の一・四%から今年は四%に跳ね上がった。工業部門は金属(一五・四%)と石油・アルコール精製(四%)がリードしている。
 米国の不動産ローン焦げ付き問題に端を発した金融危機が、ブラジル国内のドル流通量にも影響を及ぼし始めた。中銀は二十一日、年末までの短期間に一一〇億ドルが流出するとの予想を発表。八月には二八億五〇〇〇万ドルの投機的資金が流入したが、九月に入ってからは逆に、十九日にまでに二八億二〇〇〇万ドルが流出した。これは同期間の貿易黒字額一七億八〇〇〇万ドルを大きく上回っている。
 ロペス局長は、ドルの流出が金融危機で発生した損失分を埋め合わせるためのものではないとしながら、資金逃避の動きが全くないとは言えないと慎重な考えを示した。一―八月の短期資金流入額は四九二億ドル、年末には三七五億ドルに減少すると中銀は予想している。