ニッケイ新聞 2007年9月25日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日、二十三日】二十二日は世界ノー・カー・デイ。五八〇万台の自動車を有するサンパウロ市では、NGO(非政府団体)や企業など三一五の団体が市内の主要道路五カ所を通行止めにするなど、啓発活動を行った。サンパウロ市が活動を支援するのは今年で三年目。
カサビ市長も公共交通機関の利用を訴えるべく、同日午後までに市内を六キロ歩き、バスで一三キロ、地下鉄で二四キロ移動した。
主催者の思惑とは裏腹に、交通技術公社(CET)によると、二十二日の通行量は普段の土曜日と変わりなかったという。土曜日は地方からの買い物客が増える。自動車利用者からは「公共交通機関が信用できない」「買った商品が多く、地下鉄では運べない」といった声が聞かれた。市内の大気汚染も改善されなかった。
一九九八年九月二十二日にフランスの三五都市で始まったノー・カー・デイはその後広まりをみせ、現在、世界で一八〇〇都市、ブラジルでは五八都市が参加している。サンパウロ市地下鉄の調査によると、六七年には六八・三%の市民が公共交通機関を利用していたが、八七年には五五%、二〇〇七年には四五%へと低下している。