ニッケイ新聞 2007年9月26日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】サルネイ政権で法相を務めたサウロ・ラモス氏(79)は、自著「人生コード」を上梓し、一一週連続でベストセラーとなった。過去四十年の歴史の節目で舞台裏に接し、ブラジルの法的欠陥と政治倫理が大きく損なわれたと述懐した。
自分史なので美辞麗句を避け、全てのブラジル人が切実に感じていること著述したという。生い立ちや人生行路、これからの抱負に付いては、並みの自叙伝みたいで興味を引かない部分がある。友人からロマンスやサスペンスを加味したらよいと忠告を受けたが、敢えて興味本位を排し、固い内容となった。
弁護士稼業は、多くの有名人の誰もが触れられたくない内面に接する。内容は複雑怪奇で、部外者には大変面白いドラマである。登場者は匿名で出演してもらった。どれも物語は私との間で起きた事実。物の見方は、色々あるので客観的に描写をした。
数々の事件は、歪曲した報道で誤解されている。面白いというのは、本人に失礼である。多くの事実が知らされていないからだ。例えばチェ・ゲバラは、裏切りの犠牲者である。しかし、死人に口なし。事実は闇の中に葬られた。
ジャニオ・クアドロス大統領は辞任後、まだ文書に署名をしていた。辞任後の署名は公私にかかわらず、前大統領の公文書偽造に当たる。在任中の文書に誤記があったからと、公布済みの文書を訂正して署名し直したは通らない。同大統領は弁護士なのに法律知識に乏しかった。同大統領の辞任は、法的過失の典型的例と言える。