ニッケイ新聞 2007年9月27日付け
【北海道新聞=根室】根室出身で、かつて東京・新宿ゴールデン街で〃伝説のママ〃とも呼ばれた写真家佐々木美智子さん(73)が、納沙布岬にある根室市観光物産センターで、故郷では初めての写真展「四十二年前のあなたに逢(あ)いたい」を開いている。四十二年前、根室半島の漁村地区の人々を撮影した白黒写真七十点余を展示。
佐々木さんは根室高校、東京総合写真専門学校を経て学生運動など多彩な題材を撮影。ゴールデン街で「おミッちゃん」と親しまれて飲食店を経営、ブラジルに渡り日系人のための図書館をつくるなどし、現在は伊豆大島で執筆活動をしている。
キャビネ判より一回り大きい写真には、綿糸で漁網を繕う漁師、凍った水たまりでスケートを楽しむ子供たち、板張りの屋根を石や廃タイヤで固定した家屋などを記録している。佐々木さんは、カメラを向けた人たちのうち今も根室に住む二人と再会、「温かい人情に触れながら撮影したことを思い出しました」と感慨に浸った。