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百周年=サンパウロ州・市レベルで煮詰まる=すりあわせ会合を州政庁で=類似事業の統合や調整進む=市も日本文化イベント開始

ニッケイ新聞 2007年9月27日付け

 サンパウロ州各庁、サンパウロ市、日本政府がそれぞれ計画しているブラジル日本移民百周年記念事業のすりあわせを目的にした州政府会議が二十五日午後四時からあり、十月一日の締め切り前に約百二十のプロジェクトが提出されていることが発表された。ブラジリアからブラジル外務省責任者も出席、各庁からのプロジェクトに対し、連邦レベルでの進言も行なった。司会を務めたジョゼ・ロベルトサンパウロ州国際関係特別補佐官は、「二つの小さなプロジェクトより、大きい一つの方がよりインパクトがある」と会合の趣旨を説明、関係機関同士の連携を強調した。
 伯外務省からアジア・オセアニア局のレジナ・ドゥンロッピ局長と同局二課のフランシスコ・マウロ・デ・オランダ課長、ジャジエル・フェレイラ・デ・オリヴェイラ元駐日大使(外務省サンパウロ事務所)、百周年協会の上原幸啓理事長、在サンパウロ日本国総領事館の楠彰領事を始め、各庁、サンパウロ市から代表者約二十人が出席した。
 ドゥンロッピ局長は「八、九〇年代に停滞した両国関係の緊密化を図りたい」と百周年の意義を位置付け、連邦政府のプログラムは皇室来伯の予定が決定すると見られる来年一月に確定させるとした。
 ブラジリア、サンパウロ、パラナにおいて皇室臨席での式典が予定されているが、「百周年はブラジル全土で祝いたい」との考えからパラー州などへの皇室訪問を要望した。
 これに対し、楠領事は、「他の地域への訪問に関して発言は難しい」と領事館の立場を説明した。
 上原会長は、カスペロ・リベロ財団主催のサンシルベストレ・マラソンのテーマに日本移民百周年が選ばれたことを報告。
 教育局は、デカセギ子弟の帰伯後の教育に携わる教師を養成する重要性を説き、現在行なわれている教育プログラム「VIVA・JAPAO」同様、百周年企画として実施したいと熱弁を振るった。
 環境局は、オルト・フロレスタル市で来年六月に一カ月間、桜祭りをABJICAの協力で企画していることを発表。「イペーと桜の植樹も検討中」とした。
 サンパウロ市担当者は、東洋人街がシネ・ニテロイから始まったことを説明、「市・州内各地の映画館で日本映画を上映するプロジェクトをIPK(インスティトゥート・パウロ・コバヤシ)を文協青年部の協力で実施したい」と話した。
 なお、来月三日から、市内二十七のCEU(統一教育センター=市立小中学校)でプログラム「100anos Japao e Brasil」を実施することも発表、イタケーラ区を皮切りに各センターを一週間毎に巡回するもので、写真展、映画、アニメなどを通し、日本文化を紹介するという。
 なお、観光、スポーツ、農業など各局がそれぞれ検討しているプロジェクトを発表した。
 州政府への関連事業提出期限は来月一日だが、今回の会合がほぼ最終段階であることを受け、「サンパウロでの百周年事業は大事だと認識している」とオランダ課長は外務省の考えを示した。
 最後には、百周年協会関係者が来年六月二十一、二の両日にサンボードロモで予定されている式典・パレードの具体的計画をイメージ映像とともに説明した。