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「被爆クスノキおわけします」=杉本さんが無償提供

ニッケイ新聞 2007年9月28日付け

 「長崎の復興と平和のシンボルである〃被爆クスノキ〃の苗を、日系団体に無償でお分けします」。サンパウロ市で種苗業をする杉本俊和さん(長崎出身)が申し出ている。
 一九四五年八月九日、米軍によって長崎市内に投下された原爆を生き残り、長崎市民に希望を与えた「被爆クスノキ」の種を、杉本さんがブラジルで育成したもの。
 同爆心地の半径約一キロでは家屋などが全焼、数多くの尊い命が一瞬にして奪われた。爆心地からわずか約八百メートルに位置した山王神社内のクスノキは被爆当初、無惨に焼けこげたかと思われていたが、数カ月後に再び青い芽を吹き出し、長崎市民に生きる息吹を吹き込んだ。
 百周年を記念して各地に日本庭園が計画されている。また、来年は県人会式典が集中しているだけに母県から来伯した要人や、ブラジル側の来賓に植樹してもらうことも考えられそう。
 「苗が九本だけ残っています。寒い時期に植えるのがいいので、この十月か、来年六月以降に植えてはどうでしょうか」。問い合わせは杉本さん(11・5589・4376)まで。