ニッケイ新聞 2007年9月29日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ二十八日】サンパウロ州政府は、株式公開による一部民営化も含めた持株売却のために、公社等の市場価格調査と売却方式を検討することを決定した。
対象となるのは一八の機関で、メトロポリタン公社(サンパウロ地下鉄)やパウリスタ都電公社(CPTM)、道路開発公社(Dersa)、技術研究所(IPT)、環境浄化技術公社(Cetesb)などの名前が挙がっている。
このうち、当面の売却対象として注目されているのは、サンパウロ電力会社(Cesp)と銀行のノッサ・カイシャで、Cespの株式は来年から競売に附されると言う。
州政府は既にCespの株式売却による利益として、八億レアルを来年度予算に計上している。いっぽう、ノッサ・カイシャについては、未回収資産があることや市場圧力で株価の値下りがあり得るなどの懸念材料があり、現時点では株式売却の時期を探っている段階である。
州政府としては、市場の関心度によって譲渡も含めた売却方式を決める考えだが、経営実権は残しつつ資本化するために、ペトロブラスやブラジル銀行の例に習い、余剰株の売却という方法をとる可能性が高い。
最も複雑なケースはサンパウロ水道局(Sabesp)で、上下水道の管理は市町村管轄とすると定められた法令が出されていることからも、州政府と市町村との調整が必要とされる。
評価のための競売は既に公示され、その結果は近日中に公開予定である。