ニッケイ新聞 2007年9月29日付け
【レジストロ】ブラジル独立記念日、七日にレジストロのエスペジシオナーリオス広場で、造形作家、豊田豊さんの制作した記念塔「自由への道」の落成式が挙行された。
式典前に文協のリベイラ涼風太鼓の演奏が披露され式典に華を添えた。開会式にはクローヴィス・ヴィエイラ・メンデス市長、豊田豊さん、川本イネース副市長、サムエル・モレイラ・ダ・シルヴァ・ジュニオール州議員、清水ルーベンス文協会長を始め、大勢の来賓、一般市民が参加した。
この記念塔は、ブラジル日本移民百周年を記念して、豊田豊さんがレジストロに作成した第二号である。この重量一トン、高さ四・五メートル、広場に堂々と聳えるモニュメントは、豊田さんがブラジルの独立記念日にちなんで制作したもの。下の部分の太い鉄管は、イピランガの川の畔に参集した兵士達を表し、天辺の赤い輪は「独立か死か!」と勢いよく天に突き上げた拳を表している。赤、青、黄色を使ったのはレジストロの旗の色で、材料は古い精米機とお茶の機械の部品と水道管を使っている。「米とお茶と水は、私達人間にとって無くてはならないものです」と豊田さんは語った。
五七年九月七日、今からちょうど五十年前、若い芸術家、豊田豊さんはサントス港で移民船を下りた。東京の芸術大学を出て三年後、二十六歳の時のことである。五十年後の同じ九月七日に、レジストロに「自由への道」を完成した、豊田さん。単なる偶然ではなく、これも運命なのだろうか。この立派な記念塔を建設するに当たり、レアル銀行の協力があった。(金子国栄さん通信)