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7千6百キロ走破、取材=愛媛新聞の高橋記者帰国

ニッケイ新聞 2007年9月29日付け

 七千六百キロを走破―。今月四日に来伯した愛媛新聞報道局社会部の高橋士朗副部長(42)が約一カ月間の取材を終えて、二十七日に帰国した。バストス、ロンドリーナ、ペレイラ・バレットやサンタカタリーナ州サンジョアキンなど、支部や県人、地元の祭りなどを訪ねて廻った、総移動距離は七千六百キロ。「(帰国後)日系社会の現状を伝える。関心を持ってもらいたい」。そう言って高橋さんはブラジルを後にした。
 「『こちらにいる人はどんな人なんだろう』と疑問を持ってきたけど、ブラジルに来たから特別というわけではない」と高橋さん。「日本の日本人と移住者、人間はどこでも一緒なんだ」と親近感を抱いたという。
 愛媛新聞では、来年の日本移民百周年に合わせて県人移民を扱った企画を練っており、高橋さんは「連載についての構想はある」。滞在中に五十人近い県人と接し、「日系社会に対して興味を持ってもらうこと」を念頭に仕上げたいと話した。
 また、滞伯中に「愛媛県人百周年記念誌」の編纂にもアドバイザーとしても関与。「愛媛にいる県民にも読んでもらいたい」と、帰国後もボランティアで協力を続けていく予定だ。
 藤原利貞会長は「一般の人がどういうことに関心があるのか、プロの目で見ている」と記念誌作成への高橋さんの助言を喜んでいる。
 同時期に来伯していた愛媛大学法文学部の稲田綾乃さん(23)も、高橋さんに同行。「日本文化、郷土に対する日系人の思い、心がけを強く感じて、〃日本っぽいもの〃をイメージしていただけの自分が恥ずかしかった」と、自身の認識を新たにしたようだった。