ニッケイ新聞 2007年10月2日付け
ブラジル日本文化福祉協会の国際民族舞踊委員会(横溝オズワルド委員長)が主催する第三十六回国際民族舞踊祭が二十二、二十三日の両日、同大講堂で行われた。国内から二十二カ国の民族系コロニアが参加して盛大に行われ、立見客がでるほどの人気だった。
初日は幼少の部の演舞も行われ、民族衣装をまとった子供たちが必死に踊る姿には、会場中から惜しみない拍手が巻き起こった。
子どもの部では花柳流「なでしこ会」が一番の人気を得た。侍姿で刀を振る姿に会場のあちらこちらから「サムライ!」などといった歓声にも驚きにも似た声が上がっていた。
開会式はブラジル国歌斉唱に始まり、多羅間俊彦副会長は「たくさんの国の音楽やダンスが、一度にこれだけ集まるのはとても意義深い」とあいさつした。横溝委員長は「これだけ多くの国が集まり、続いていることが嬉しい」と無事の開催を喜んだ。
最後に、舞台に上がっていた各国の民族衣装に扮した参加者たちの紹介を行うと、観客者たちは自分の民族が紹介されるごとに拍手を送りアピールした。
講堂前の大サロンではアフリカ、イタリア、ロシア、ドイツ、ウクライナ、ハンガリー、ギリシャ、日本、チェコ、ボリビア、リトアニアが各国の郷土料理や郷土品を販売していた。
日本ブースではロジェリオ・ヒロチ・ゴイアさん(27、四世)が五年前から始めた、日本的な作品を販売していた。「友達に勧められて始めたけど、今はとても楽しい。今日は良く売れていますよ」と笑顔で話した。
また、アフリカのブースでは数人が民族衣装に身を纏い、郷土食を販売していた。アレシャンドレさん(26)は「この機会に少しでも知ってもらえれば嬉しい」と期待を表した。
講堂内も大サロンも来場者がぎっしり、移動に困難をきたすほど。通常なら週末は日本人や日系人で溢れかえる文協だが、この日ばかりは日系人を探すのが困難なほどだった。