ニッケイ新聞 2007年10月2日付け
希望の家福祉協会(木多喜八郎理事長)主催の「第二十九回緑の祭典」が九月二十九、三十日、イタクアケセツーバ市の同施設で開催された。両日とも肌寒い天気となったが、日系・非日系を問わず、開催二日間で約二万人が会場に駆けつけた。
「お金を払って来てもらったら大赤字」と関係者が感謝していたのは、同祭典の目玉となったMPB歌手ジャイール・ロドリゲスとその子供ルシアーナ・メーロ、ジャイール・オリベイラの特別コンサート。二日目の午後に行われた同コンサートには、来場者が歌にあわせて踊りだすほどに大盛り上がりだった。
約六千平米の会場にはビンゴ大会ほか、アルジャのアフロード花卉生産者組合による即売会、衣類や日常雑貨の販売店などが並んだ。飲食の屋台も例年通り充実し、サンマ定食(十レアル)をはじめ、寿司やうどん、焼きそば、ピッツアやお菓子などが販売され、盛況だった。
また同施設の園児らがつくった手帳や鉛筆入れ、絵画なども即売され、来場者の関心をひいていた。
同祭典の運営には各文協の青年部や婦人部ら約二千人のボランティアが担当。それぞれが屋台での販売や交通整理などを分担した。
この他、ネルソンとダヴィのデュエットコンサート、平田ジョーさんや伊藤カレンさんらの歌謡ショーがあり、会場を盛り上げた。また琉球国祭太鼓など各太鼓グループの演奏も人気だった。
木多理事長は「心身障害者の入居する施設の維持費捻出のためにはこうしたイベントの売上が大きい。毎年みなさんに協力して頂き感謝しています」と笑顔で話していた。
同ホームには現在九十三人の園児が全寮制で暮らしている。平均年齢は約四十五歳。同会長によれば、園児一人あたり毎月、約千五百レアルの費用がかかるが、その内七割ほどを同協会が負担している。同祭典などのイベント収益や各方面からの寄附金などを充当して運営しているという。