ニッケイ新聞 2007年10月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】来年の市長選で再選を目指すサンパウロ市長カサビ氏は、予算の四七%を社会保障政策に当てる予算案を組み、提出した。同氏によると、来年度の重点項目は教育、保健、住宅、交通の各分野だと言う。
まず教育であるが、現在ある十一時から十五時までのクラスはなくす計画で、この時間帯に学ぶ九万人の生徒の受け皿として、二三の統一教育センター(CEU)と約七〇の学校を新設すると言う。このCEUと学校の新設のための四億レアルを含め、教育関連予算は五八億五五〇〇万レアル計上されている。
また、保健医療関係は、緊急外来を含む病院施設の改修と機器購入に一億五八〇〇万レアルを始め、新しい病院の建設など総額四五億五三〇〇万レアルを計上しており、二〇〇八年末までに市民病院数一一〇を目指している。
公共投資は一七・一五%アップとなっており、住宅関連費は、二三%アップの七億六四〇〇万レアルの予算が組まれている。また、サンパウロ市東部のジャク・ペッセゴ大通りの拡張工事を進め、アイルトン・セナ道、環状道路(ロド・アネル)に接続できるようにする他、チラデンティス急行(旧フラ・フィーラ)の市東部までの延長、バスターミナルの拡充等、交通部門にも大きな予算が割かれている。
また、市長によると、環境問題も重要課題とされ、環境緑化局の予算は六六・五五%アップされる。
予算案の総額は二五二億レアルで、一七・六%の税収増を見込んでいるが、家屋税等の増税はしないとしている。