ニッケイ新聞 2007年10月3日付け
肉牛ネローレ種ルアナの試験管ベビーFIVペルボニが七カ月目を迎え、一日当たり一・四キロ宛て肥育している。マルセロ・ペルボニ氏はウベラーバで、短期間に良質の肉牛を大量に生産するクローン牛の飼育に取り組んでいた。胚の移植と試験管受精は、牧畜の常識になりつつある。
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人工授精と精子の性鑑別も可能になり、費用は高価であるが牧畜の採算に大きく影響する。乳牛はメス、肉牛はオス。鑑別の確率は八五%だが、九〇%を目指している。自然分娩は、半々である。そのため投資の回収率が高くなった。
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ワインやビール並にミルクの風味研究をカンピナス大学農学部のジョルジーナ・アイレスさんが、行っている。水分や酸味の含有率、太陽光酸化率、人工酸化率、乳脂の変質率、バクテリアの繁殖率、飼料の影響、包装材の影響、添加物の影響、熱加工の影響などを調べる。市販ミルクの八〇%は、熱加工の欠陥。包装材の欠陥は、消費者が意識していない。ミルクは沸騰させて飲むもので、絞りたての生ミルクは危険という。
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ミルク・コーヒーやミルク・チョコレートは、染物工場の墨染めのようなもの。生産工程で準合格品をカモる副産物である。どのメーカーでも、失格品を救う生産技術や不味さをごまかす添加物を持っている。