ニッケイ新聞 2007年10月3日付け
シネマ屋、舞台役者としてコロニアの人気者だった池田信雄さん(芸名坂東正一)がサンベルナルド・ド・カンポ市のネオ・ナテル病院で二十八日午後四時、肺炎のため、亡くなった。享年九十歳。
池田さんは一九一七年、大阪生まれ。十七歳のとき家族で移住、アラサツーバに入植し、二年後に出聖した。
シネマ屋として地方を巡業、芝居や舞踊など活躍、池田歌舞伎研究会などで後進の指導にもあたり、九〇年代前半までコロニア芸能祭などの舞台に立っていた。後年は「シネマ友の会」の会長として、シネマ屋追悼ミサを開いていた。
「家のことは放ったからしでね。本当に舞台が大好きな人でした」と話す長女のテルミさんによれば、二十四日に肺炎を起こし、同病院の集中治療室(UTI)に入ったが、そのまま息を引き取った。
劇団「新波」を主宰、池田さんに稽古を受けていた井上久広さん(文協芸能副委員長)は、「見舞いに行こうと思っていた矢先だった。本当に残念。二年前に形見分けに、と貰った拍子木を大事に使っていきたい」とコメントを寄せた。
初七日は自宅(Vila Liveiro Rua Antonio freire 112、アンシェッタ街道十二km地点入る)で七日午後二時から行なわれる。
連絡先は池田(電話=11・6331・2275)まで。