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保健省の年間予算を削減=政府の水面下工作=貧困層にしわ寄せか

ニッケイ新聞 2007年10月4日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】政府は一日、保健省の年間予算を削減することに成功した。二日に行われた上院の経済専門委員会で承認されたもので、連邦政府の総税収の一〇%を保健予算に組み入れるというこれまでのルールを変更し、年間三一五億レアルに食い止めた。
 この案は上院の社会福祉委員会を経て議決に付されることになるが、経済専門委員会の承認を受けたことでもはや障壁となるものがないことから政府の勝利はゆるがないと見ている。
 さらに政府は根本的な上下水道などの衛生施設施行を人口五万人以下の市とすることにした。これまでは三万人以下の市が対象だった。三万人以下の市に対する衛生施設の予算は一二億四〇〇〇万レアル組まれていたが、この経費は今回の法案では保健省の予算として計上されることになったことから、衛生施設の予算は実質削減されることになる。
 しかし、予算削減で、貧困者、特に統一システム保健所(SUS)の利用者に影響が出ると危惧する声も出ている。サルバドル市では二日からSUS関連の診療所や個人開業医が医療機関との支払いなどの条件が折り合わず、ストを決行している。寝水に耳のストだけに利用者はまったく情報がもたらされておらず、通常無料の検査に三〇レアルも支払ったと不満を漏らす人も出ている。