ニッケイ新聞 2007年10月4日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ヴァーレ・ド・リオドーセは長い間、環境汚染の権化のような批判を浴びてきたが、鉱石の含有率が少ない鉱山の廃坑によりイメチェンに努力する方針を決めた。これには、鉱山開発の技術革新や環境法制定、環境団体の圧力が背景にあった。
大体掘り尽した鉱山が多数あり、七三億ドルを投じ、三億四六〇〇本の樹木を跡地に植林する。一〇億トンの鉄鉱石を採掘したカラジャス鉱山の場合、同地域は不法伐採と山焼きが激しかった。それで環境保護局は、カラジャス鉱山周辺の一二〇万ヘクタールを自然保護林に指定した。
廃坑と植林だけでは、まだ十分とはいえない。付近の住民や先住民シクリン族からヴァーレ・ド・リオドーセは、地域社会の交流を無視し恨まれていた。その代償として同社は、道路の舗装や、病院建設、衛生環境の整備を約束した。
パラー州ジュルチー郡では検察庁が、年間二六〇万トンのボーキサイトを採掘する米系アルコーアの営業許可を取り消した。アルコーアは、住民との対話による解決を試みている。他にニッケルやナイオーブ、燐酸などのレアメタル採掘で外資系企業が、ゴイアス州に十二億ドルを投じた。環境と住民の摩擦は、まだ続く。