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党移籍は防御対策か=見解拮抗の最高裁=下院、はく奪判決なら対決=倫理と忠誠で新たな判例

ニッケイ新聞 2007年10月5日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】下院執行部は三日、党移籍に関する最高裁の判決について対策を協議した。三日の最高裁判決は延期されたが、議員権は党の所有とする選挙裁判所の見解を、最高裁が支持するという見方が大きかった。キナリア下院議長を中心とする連立党代表と総弁護庁のトフォリ弁護士は、仮に議員権はく奪の判決が下っても、それに服さない意向を示唆した。
 二〇〇六年の議員選挙で当選し、その後移籍した議員は四五人いる。ほとんどは野党で当選し、連立与党へ鞍替えしたもの。例え最高裁がはく奪を決めても、連立与党が過半数を占める下院では、本会議で否決する可能性が大きい。
 野党から出された移籍議員の議員権はく奪請願に、ソウザ検事総長は取り下げを申請し、最高裁がそれを却下した。一九八九年の最高裁判決では、議員の党徘徊は許された。それが政治倫理を問われる今、目先の損得で変わる政治家の節操が再度、俎上にあがる。一方で党移籍は、身辺に危機が迫るとき自分を保護する権利ともいう。
 最高裁判決は上議を除く、下議と州議、市議が対象になる。二〇〇八年の地方選に立候補する市議は、明日五日の午後十二時までに党移籍の是非を決めなければならない。
 党移籍を看過する連邦令と議員権は党に属するという選挙裁判所の間にある見解差を埋めるため、最高裁は判例を改める必要がある。最高裁には選挙裁判所長官を兼任するメーロ判事もおり、判決は二者択一である。最高裁審理は、TVで実況中継される。