ニッケイ新聞 2007年10月5日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】空港整備公団を舞台に二〇〇三年から二〇〇五年にかけて企業ぐるみの重役陣、従業員、関連企業による不正汚職がなされていたことが明るみに出て、航空スキャンダルを追求している国会特別委員会(CPI)が摘発し、当局に告発することになった。告発されるのは〇三年から〇五年まで総裁の座についていたカルロス・ウィルソン元総裁(現PT党から下議に当選)を始めとする二五人で、いずれも入札の便宜を図ったり情報を与えたりして落札を有利に導いた嫌疑を持たれている。
とくにウィルソン元総裁は、在任中に飛行場建設や拡張、補修工事などで三〇億レアル以上の入札をしており、その落札指定に国庫庁や検察が疑問を抱いて捜査を開始したとも伝えられている。
CPIの一〇〇〇ページに及ぶ調査報告書の中でも、技術重役のエレウザ容疑者に関しては、第三者との癒着が克明に記されており、落札への手引きなども明記されているという。元営業取締役のブレンダリア容疑者も同罪で摘発されているが、同容疑者の場合は果物業者が背後におり、業界挙げての汚職となっている。さらに同容疑者は二六〇〇万レアルのソフトウエア購入に際し、水増し請求の疑いがかけられている。これにより、同容疑者は国庫庁から解雇されている。
一方で、財務重役も国庫庁から解雇された。同重役がブラジリアに購入したアパートの支払い代金が所得とのつじつまが合わないというのがその理由。同重役は負債の残り二五万レアルを現金で支払うとしたが、月収一万三〇〇〇レアルでは支払うことが出来ぬと判断された。