ニッケイ新聞 2007年10月5日付け
沖縄県出身でサンパウロ市在住の赤嶺礎乃子さんが現在、第一回移民船「笠戸丸」で移住した沖縄県人に関する情報を呼びかけている。
この調査は、琉球大学移民研究センター(町田宗博所長)と共同で進めているもの。同大学で修士課程を修了した赤嶺さんは、今年四月から同センターの研究交流員として活動している。調査にあたっては、センター創立者で南米沖縄移民研究者として知られる石川友紀博士(同大名誉教授)の指導を受けている。
戦後に移住し、長年日本語教師として仕事をしてきた赤嶺さん。「百周年を前に、先人の恩に報いるために何ができるか考え、名前くらいは残してあげたいと思った」と、きっかけを話す。
調査をはじめたのは一年ほど前。氏名など笠戸丸移民の記録が資料によって異なっていることを知り、「少しでも正確な記録を後世に残せたら」との思いから始めたという。県人会がジアデーマ市の沖縄文化センターに建立を予定している記念塔に県人移民の氏名を刻む計画があることも調査を後押しした。
すでに外務省の旅券発給記録とサンパウロ州政府所有の下船名簿を照会して、笠戸丸移民の生年月日や氏名については確定しており、今後は死亡年月日・場所などの追跡調査が中心となる。
「調査結果はセンターに保存され、資料として役立ちます」と話す赤嶺さん。「移住者の子孫を知っている人、本人と付き合いがあったという人は連絡してほしい」と呼びかけている。
連絡はファックス(11・3208・2932)または電子メール(sono.a.m@hotmail.co.jp)まで。