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服役者の介護を=人権擁護審議会が抗議

ニッケイ新聞 2007年10月6日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日、五日】サンパウロ市サンタナの特別療養所で三日、治療を受けていた服役者が呼吸困難を起し、死亡した。当時、医療機器の故障ならびに機材の不足があったという。死亡した服役者の妻は、療養所に移される前の病院では十分な医療がなされていたが、療養所では、病院の医師からの申し送り通りの治療は行われておらず、夫の死は人為的なものだとして、州を相手に訴訟を起す予定。
この療養所の設備は以前から故障等の問題があり、州の人権擁護審議会が三日に提出した報告書によると、九月の時点の収容者は一〇二人で、五人の感染症患者もいた。また、女子療棟では二五人中一八人が妊婦で、看護婦も不在なため、囚人同士で介護。身体障害を持つ人たちの病棟でも同様で、三人の感染症患者を含む四人が二一人の世話をしている状態で、リハビリもされず、床ずれが起きた人もいる。
同報告書では、医師や看護婦、医薬品の不足や機器類の故障も取り上げられており、実質的に療養所は療養所として機能していない。また、態度が悪いとして、治療半ばで監房に戻される感染症患者もあるなど、今後も不注意や、機器の故障による死亡者が出る可能性を示唆している。
 いっぽう、刑務所管理局(SAP)の担当者は四日に、当該刑務所は既に新基準に基づいた医療体制をとっており、介護は看護婦たちの手でなされていると発表。療養所も増改築され、定員三七八人となるという。