ニッケイ新聞 2007年10月6日付け
来年のサンパウロ市での日本移民百周年式典が行われる六月二十一日の前後だけで、県人会関係の式典が五つも集中しており、県知事が六人も来伯する可能性があることが、ニッケイ新聞の調べでわかった。本番式典に合わせて、日本からは皇室はもちろん、閣僚や政治家などの要人を始め、芸能使節団や来賓などの訪問も予想されている。なみいるVIPに失礼のない受け入れをするためにはかなりに周到な準備が必要であり、「もう少し分散できれば」という嬉しい悲鳴が挙がっている。
来年六月十八日は首都ブラジリアで、二十一日にサンパウロで、翌二十二日はパラナ州ローランジャで百周年記念式典が開催される予定。
その直前の十五日には岩手県人会(千田曠暁会長)が文協大講堂、高知県(高橋一水会長)は同会館でそれぞれ式典を開催することを予定している。
また、二十一日のサンパウロ市百周年式典に出席するために、福岡県知事が来伯を計画している。
本番翌日の二十二日には、栃木県人会(横田啓会長)、島根県人会(古田川英雄会長)、長崎県人会(中野恵市会長)が、それぞれ自前の会館で式典開催を予定している。
栃木県はすでに式典開催日を完全に決定しており、各関係者に招待状を送付済み。島根県は来年会館創立十周年を記念して、式典を行う予定。知事ら来賓の参加を要請しているが、現在のところ未定。
高知県人会は日本から知事を含めて五十人ほどの慶祝団が来伯する予定。十五日の式典を終えた後、二十一日の式典にも参加することを計画している。
在サンパウロ総領事館では、式典本番に合わせて来伯するVIPの対応に追われることが予想されるため、以前から「できれば分散してほしい」と呼びかけていた。
通常であれば総領事館では、県知事ら要人が来伯する時に、空港などで便宜を図ってくれないかとの県人会からの要請に応えているが、このような状態では難しくなりそうだ。
ただし、複数の県人会関係者によれば、母県側からすると「どうせブラジルに行くなら百周年式典にも出席したい」との意向が強いという。
唯一の日伯航路の直行便を飛ばすJALは、東京行き便がサンパウロを出発するときの平均搭乗率は九割強、サンパウロ行き便が成田を出発するときは八割強が埋まっており、通常時ですら「ほぼ満席」の状況だ。
日本からの慶祝団のピーク時だと想定される来年六月半ばの予約が満席になって、希望通りの日程で訪伯スケジュールが組めないケースがでてくる可能性もありそうだ。