ニッケイ新聞 2007年10月10日付け
「日本語の受験者数は、全地域ですそ野が拡大している」。十二月二日に行われる日本語能力試験(国際交流基金主催)の申し込み者数が、十年前、一九九七年の受け付け者数を上回り、三千六百五十四人であることがわかった。今年初めて実施されるマナウスでも百五十六人の申し込み者があり、昨年に比べ、四百八十九人の増加だった。
日本語能力試験受験者数は、九〇年に五千二百七十人のピークを迎えてから年々減りつづけ、二〇〇〇年には二千八百六十六人と十年間で半減。しかし、その後徐々に回復し続け、〇五年に三千四百七十一人。昨年は、受験料を上げたためか減少したが、今年は、十年前の水準を超す人数が申し込みを行った。
級別の申込者数では、四級が昨年から最も増えて、千四百九十一人(百二十三人増)。三級に千百二人(百五十五人増)、二級に七百十四人(百十六人増)が応募。一級のみ四人減り、三百四十八人が申し込んだ。
会場別では、サンパウロ(二千百七十七人)が飛び抜けて多く、ロンドリーナ(五百五十三人)、リオ(二百九十六人)、ブラジリア(二百九人)と続く。全国八カ所で行われる。
ブラジル日本語センターの丹羽義和事務局長は「確実に日本語の受験者数は増えている」と喜ぶ。ビジネス日本語能力テスト(JETRO主催)、子どもテスト(同センター主催)の申し込み者数もともに増加傾向にあり、「初級レベルのすそ野が広がれば、これから先にもつながっていく」と展望を話した。