ニッケイ新聞 2007年10月12日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】会計検査院(TCU)は十日、現行の国道通行料金が適正価格であるかを再度、調査すると発表した。今回行われた国道民営化の入札で、落札企業が現行料金よりも破格の低価格料金で管理業務を提供すると表明したことから、現行価格に当局が疑問を抱いたようだ。TCUは陸運庁(ANTT)に対し国道に関する過去の調査報告書の提出を求めた。
既に管理業務の民営化が行われた国道に対し、TCUは契約書の落ち度を点検することになった。民営化入札が行われた九日、通行料金が現行価格よりはるかに低格で見積もられたためTCUが疑問を呈した。
新しく落札したOHLは、フェルナン・ジアス国道の一区間を〇・九九七レアルと見積もった。それがドゥットラ国道では、同距離から七・八〇レアルを徴収している。
TCUは、投下資金の回収率を年間八・九五%と見積もっている。それが既存の民営化企業は、一七%から二四%も回収している。通行料金の切り下げは、色々な要因が絡み合って調整が行われる。契約内容と実際の管理業務に大差がある場合、損害補償を要求されたこともある。
サンパウロ州の通行料金は、他州よりも高額であった。この有利な国道管理業務が、国際金融で垂涎の的となっていた。全国物流協会のデータによれば、民営化された国道の通行料金は一キロ米当り〇・〇二七レアルの見積もりに対し、〇・一二三レアル徴収し談合の疑惑が抱かれている。
入札形式は、前政府と同様の最も低価格の通行料金を徴収する入札企業へ落札させた。管理企業側は、往年の国道管理と現在のそれに雲泥の差があるという。それでも政府の思惑通りに前政府より破格の通行料金で落札が決まり、ロウセフ官房長官の手腕が買われている。