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健康は「うろつきまわって」=老ク連=長寿学の松村医師講演=繊維と蛋白質をとろう=「早死は人災」=食事・運動で筋力維持

ニッケイ新聞 2007年10月12日付け

 広島県医師団で来伯中の松村誠・広島県医師会常任理事(58、松村循環器・外科医院理事長)が、十日、老人クラブ連合会本部センターで「いつまでも若く、美しく、たくましく、そしてしぶとく!」と題して講演を行った。広島県人会が主催。循環器の専門医である松村医師は、かかりつけ医として高血圧や心臓病など循環器疾患の診療をする一方、長寿、タバコ、スポーツ等健康問題について、日本で幅広く講演活動を行っている。「早死せんほうがええで」や「短命一家と長寿一家」などの著書もある、長寿学の一人者だ。当日は約五十人が参加、笑いの絶えない講演となった。
 冒頭、松村医師は、日本の首相ら指導者層がブラジル大統領や市長よりも十歳近く年上であること、脳の判断力は六十歳過ぎが最も高いことを例に、「まだまだ若い者には任せられん。老人パワーで世界の長寿に連なろう」と呼びかけた。
 「早死は人災」と松村さん。金さん、銀さんが高齢になっても活動的だった理由に、気力と、特に筋力を維持し続けたことが大きいと話す。「片手が動けば自分で食べられるし、オムツも一人で替えられる。最終的には筋力勝負。食事と運動で筋力をつけよう」。
 ボケ防止の七カ条は「散歩、日記、恋愛、料理、旅行、ダンス、囲碁・将棋・マージャン」で、「頭、心、体の三つをバランスよく使うこと」が必要になる。「使わなければいくらでも衰える」。
 研究データから、長寿に関係する要素は体格、血圧、血中の蛋白質の量と運動とあり、そこから、健康のための四訓は(一)中デブ、(二)血圧低め、(三)栄養良好、(四)うろつきまわること、であると松村氏は紹介した。同氏は、「趣味を楽しみ、積極的に老ク連の講演会に参加して、よくうろつき回ってください」とエールを送った。
 また、食事をする上では、繊維と蛋白質の摂取に気を配る。「一日に必要な二十~二十五グラムの繊維を食べている基準として、翌日、約百五十グラム(卵三個分)の便が出る」。
 多くのおかずを組み合わせて食すためには、主食は御飯が好ましく、蛋白質を摂取するために「中高年こそ、肉をとれ」。牛や豚の脂は茹でて取り除き、魚は肉と一対一になるように食べるのが理想だ。
 さらに、体力の面では「二十五歳から老化が始まり、年に約一パーセントずつ落ちていく」ため、松村氏は、夕食で蛋白質を食べ、就寝前にダンベル運動をすることを勧めた。一日十五分間、少しでも毎日続けることに効果があるという。
 「健康は寝て待っていてもやってきません。うろつきまわって求めるものなのです」と締めくくった松村氏。講演後には広島での風景を写真のスライドで紹介した。会場は、終始軽快なトークで笑いに沸き、「面白かったわ~」と満足な来場者の姿が見られた。