ニッケイ新聞 2007年10月12日付け
段取りの悪さはコロニア式典のお家芸、十日夜に行なわれた文協大総合美術展のイナウグラソンに極まれり、だ。
予定開始時間が遅れるのは、常としても国歌斉唱、亡くなったアーティストに対し、一分間の黙祷―には驚いた。
最初の歌手登場で変わった趣向だな、思ったが、これでは移住地の入植式典と変わらない。
お決まりの来賓挨拶―日本語で堂々と話しては―と思うものや、おかど違いのスピーチをする大先生も。会場を後にする人が出るのも当然だ。
サロン文協、美展、工芸の初合同展。ならば、歴史を踏まえた別のやり方もあったのでは。
メインであるべき受賞式が始まった八時過ぎ、会場の人数は開始時の半分ほどに減っていた。
蛇足だが、壇上でしきりに汗を拭う西林万寿夫総領事の姿に空調設備も必要だな、と毎度のように思った。 (剛)