ニッケイ新聞 2007年10月16日付け
日本とブラジルが共同でアフリカの開発支援へ――。二〇〇〇年に日伯両政府間で締結された日伯パートナーシッププログラム(JBPP)。これまでは、国際協力機構(JICA)がブラジル国内での研修事業を中心に実施してきたが、今回、ブラジル政府も参加して支援先のアンゴラで、日伯共同プロジェクト「アンゴラ共和国ジョシナ・マシェル病院機能強化研修」を行うことが決まった。四人の専門家がブラジルからアンゴラへ向かい、研修を行う。八日、第一号専門家として、谷田リツコ・サンパウロ大学病院看護婦長が現地へ旅立った。
日伯パートナーシップが新たな局面を迎えたのは、今年の四月。緒方貞子JICA理事長が来伯したおりにアモリン外相と会談し、JBPPを積極的に推進していくことが話し合われた。
その後、計画に拍車がかかり、六月にはブラジル外務省国際協力庁とともにアンゴラ、モザンビーク、パナマ、東ティモール、パラグアイなどの案件を検討。七月に現地との意見交換が行われ、前記プロジェクトへの谷田さんらの派遣が決まった。
ブラジル政府が国として計画に加わり、中南米へのみだった支援がアフリカにまで拡張した今回の支援は、新たな形での第一歩が刻まれたことになる。
研修が実施されるアンゴラのジョシナ・マシェル病院は、二〇〇〇年ごろから日本政府の協力により施設や機材の整備が行われており、同国内でも中心的な役割を果たしている。看護士、検査技師、管理部門スタッフの技術向上が喫緊の課題となっており、谷田さんは、国内十三の病院から集まる看護士ら約百人の育成に携わる。
十二月には、サンタクルス病院の尾崎マサユキ医師が病院運営の研修のためアンゴラに向かい、その後も画像診断や臨床の専門家が研修を行う予定だ。アンゴラでプロジェクトに関わる全関係者は、六百八十五人になる。