ニッケイ新聞 2007年10月17日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】環境省は十五日、三年間低下傾向にあった森林伐採が再燃しているとして見直しを行うと発表した。NGOの報告によれば、二〇〇七年六月から九月までにマット・グロッソ州だけで、森林伐採が昨年同期比一〇七%増となっている。
NGOの宇宙衛星による調査では、同州の森林伐採が四カ月連続で二六二平方キロにもおよんだ。同州の開墾は、アマゾナス全州における森林伐採のバロメーターと見られている。
伐採の原因は、国際相場が高騰した大豆の作付けであり、コモディテイの強気が伐採に拍車をかける。それに二〇〇八年は地方選挙があり、森林伐採はさらに拍車がかかる。政府はアマゾナス地域三〇郡を、計画伐採と植林再生の特別地域に指定した。
政府は、新たな伐採抑止を三段階に分けて計画をしている。第一は、マット・グロッソ州とロンドニア州、パラー州の銘木切り出しを禁じる。第二に監視システムの設置。第三に再生システムを整備する。
政府は森林伐採が、年平均三〇%減で下火になったと喜んだばかりであった。違法伐採を徹底的に追放し、効果を上げていた。また違法伐採で荒らされた森林の再生を行っていた。森林伐採は、コモディテイ市場の大豆相場とアフト―ザの発生に比例する。
森林の減少には、山火事もある。六月から九月までに四万四六二一件の山火事が、記録された。昨年同期比で七二%増である。また環境省の目が、届かない地域も多い。違法伐採は一七%と記録されているが、殆どは環境省の監視地域外である。
マット・グロッソ州のマギ知事は、コモディテイが猛獣を目覚めさせたと表現をした。