ニッケイ新聞 2007年10月17日付け
飛石連休で命の洗濯をした人々も多いが、命を失った人もまた多い。国道だけで九二人、サンパウロ州道では三〇人。その他、十三日にグアルジャー市で自転車に乗っていた青年がポルシェにひき逃げされたように、一般道での事故もある。サンパウロ州道での事故死亡者は若干減ったとのことだが、国道では増加。自分の命も人の命も大切にして欲しい。人は一人で生きているわけではないのだから。
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事故や病気で苦しむ人を助けるはずの救急隊員たちだが、十四日、ベロ・オリゾンテ近郊で消防の救急隊員と、Samuと呼ばれる救急医療車両の医師とが、車にはねられ重態で意識不明となっていた七歳の少女の扱いで争った形となった。病院搬送が遅れた少女は病院に運ばれる途中で死亡。消防隊員たちは互いに相手のせいだと言っている。
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十五日にサンパウロ市サンタマロのポウパテンポで六六歳の男性が心臓麻痺を起し死亡した。法律では、一日一五〇〇人以上の動きがある場所には救急機材が設置されているべきなのだが、事故が起きたポウパテンポには機材はなく、医務室も機能していなかった。心臓科の医師によれば、心臓麻痺の場合、処置が六〇秒遅れるたびに存命率は一〇%ずつ下がると言う。
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サンパウロ市西部のイタイン・ビビ地区で銀行と社会保険院の施設跡に不法侵入して住み着いていた人々の強制撤去が十五日に開始された。トラクターも繰出した撤去作戦で八二家族が住居を失った形だが、市当局によると跡地はサッカー場や自転車専用道、林などのある公園として造成すると言う。二〇年も住み着いていた人たちはまたどこかに潜り込むのだろうか。