得票は党所有ではない=議員も一票の投票権がある
ニッケイ新聞 2007年10月17日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】最高裁前長官のネウソン・ジョビン国防相は六日、四日に下された党移籍に関する最高裁判決について、次のように所信を述べた。「最高裁判決は従わねばならないが、得票は議員のものであって党のものではない」なぜなら立候補者自身も選挙権を持っており、誰に投票するかは自由である。
有権者は自分の票を高く買ってくれる党へ投ずる。だから立候補者は、党を選ぶ。有権者は立候補者に投票するのであって、党に対してではない。得票が党に属するか否かは、選挙システムの問題である。党への忠誠は、選挙システムの中で論じるべきことで法的立場ではない。
議員は人身保護と防衛対策を、政治的圧力と混同して理解している。党移籍は、人身保護や防衛対策と無関係である。これまでは議員が自由に自分の選挙権を売り込むため党徘徊をしていたので、政治改革の必要を感じなかった。しかし、党徘徊は禁じられ選挙権凍結も許されないので、議会は政治改革を急ぐ必要があると述べた。
軍律を照合して議員の立場を定義するなら、単純明瞭である。軍律によれば、目先の損得判断による決定は許されない。選挙権の売り込みという軽薄な判断や決定は、軍では存在しない。決定は、尊重されなければならない。
最高裁判決は、聖なるものという。ただ議会の対応が、これからの問題といえそうだ。党移籍については、決まった。次に得票は誰のものかが議論の焦点になる。それは立候補者自身の選挙権が、誰のものかに帰結する。有権者は立候補者に投票するからだ。
立候補者にとって党公認は死活問題だが、当選してしまえば単なる建前に過ぎない。候補者にとって党は、渡りに舟のようなもの。民主政治における党のあり方をいうなら、選挙システムに問題がある。
党への忠誠は選挙システムに織り込むべきで、法的立場においてではない。選挙が実施される一年前に立候補者は、現職を辞さねばならない。所属する適当な党がなければ、一年前に党を創立しなければならない。一年前という選挙システムは、縮小しないと民主政治の妨げになる。
選挙法改正で議会は、忙しくなる。比例代表制リストをつくり、党への得票を募る。立候補者への得票ではない。比例代表制で、最高裁判決は生きてくる。選挙権は、凍結して自由を奪ってはならない。議員にとっても、出世の稼ぎ時である。議会も、その位分かっているはずだ。