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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2007年10月20日付け

 援協はこのほど、重度の鼠径(そけい)ヘルニアを患っていたサンパウロ州スザノ市在住の日本人男性(93)を日伯友好病院で受け入れ、無料で手術した。手術は見事成功し、男性は無事退院した。
 男性が患ったのはいわゆる〃脱腸〃という病息。お腹と足の境から大腸や腹膜などが皮膚の下に飛び出すのがその症状。地方の病院はこの男性が高齢で症状が重たいことを理由に、手術の受け入れを拒否した。
 男性は手術後、心ばかりの謝礼にと五千レアルを援協に寄附した。援協が無料で治療を引き受けるケースは度々あるが、後から自分の払える範囲で現金を寄附してきた人はとても珍しいという。
 「こんな律儀な男性は日系社会でも少なくなった」と援協関係者。恩には必ず報いる。今回の件はいかにも日本人一世が大事にしてきた日本的精神の一端を表すようで、温かい話に感じる。(泰)