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米市場から駆逐されたブラジル=中国の戦略に敗退=対米輸出が10億ドル減=意欲と努力欠如、無為無策

ニッケイ新聞 2007年10月23日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は二十一日、ブラジルは世界最大の米市場で中国製品の攻勢に敗れ二〇〇六年、対米輸出は二六一億七〇〇〇万ドルに留まり、一〇億ドル減となったためブラジル産業の痛手であると訴えた。長年をかけて米国に築いたブラジルの伝統的市場は過去二〇年、中国の商業戦略に敗れ半分を失った。ブラジル産業は同期間、重税や為替条件などが悪く太刀打ちできないと泣き言をいうだけであった。米国市場を最近席巻した好景気を、ブラジルは無為無策のまま見過ごした。
 ブラジル産業は、叩かれて泣くだけで抵抗することを知らない子供のようだ。製品輸出は過去二〇年、対EU輸出が対米輸出を凌駕していることで、米市場に対し輸出意欲を欠いたのは確かだ。二〇〇七年一月から九月まで、対米輸出は六%減で一一八億五九〇〇万ドル。一方対EUは二九%増の一一九億八四〇〇万ドルである。
 伯米間には、二つのことが明らかだ。一はブラジルが後退した分、中国が占拠したこと。二は米国市場に乗れない国が、色分けされたこと。中国がブラジルの米国市場を乗っ取ったのは、機械や機器、電気資材である。これだけでブラジルは、米市場で三億五五〇万ドルを失った。
 次いで製靴が、八一九〇万ドル敗退。ブラジルの製靴大手サンダロは、一九七一年から製品の七〇%を米市場へ輸出していた。それが現在、二〇%へ落ちた。米市場はブラジル製靴の上得意であった。毎年五〇八〇万足を輸入したが、二〇〇六年は二三%減の三九〇〇万足に落ちた。
 ドル通貨の下落が始まってブラジル製品は、米消費者にとって高価となった。またブラジルのメーカーも対米輸出に意欲を失い、コスト・ダウンの努力もしなかった。中国製品はその時、ブラジルの半額で積極的に売り込んできた。
 ブラジルのメーカーにとって、黒船を乗りつけられたようなものだ。ブラジルで原価が二〇〇七ドルするとき、中国は小売値を二〇〇〇ドルで売った。これは泰平の眠りからさめたのか、世界情勢に疎かったのか。十九日の為替市場は一ドルを一・八〇レアルにつけ、これでもかといわんばかりである。

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