ニッケイ新聞 2007年10月24日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】亜経済は過去数年、不確定時代に悩まされ、多くのシンボル的企業が売りに出された。いずれも南米のスイスといわれた亜国の黄金時代、一世を風靡した伝統的企業である。買収に食指を動かしているのは、ブラジルの代表的企業だ。
亜国は二〇〇三年以来、経済成長率八%を保ったが、亜企業はかつての面影がない。外資によって二束三文の企業買収(M&A)が進んでいる。証券取引所は過去一〇年、サンパウロ市が株価指数を一八七%上げたのに、ブエノス・アイレスは二七%下げた。
これは、ブラジルが亜企業を買収する資金を容易に調達できることを意味する。カマルゴ・コレイアはサンパウロ市アウパルガッタを配下に所有するが、往年の亜本社をも買収した。さらにセメントの亜大手ロマ・ネグラも買収。これは往年の高嶺の花を、手中に納めたようなものである。
さらにビールの名門キルメスが、Ambevの軍門に。ペトロキミカの大手PEREZが、ペトロブラスへ。鉄鋼のSIPARが、ジェルダウへ。製靴のIndularが、ヴウカブラスへ。亜スイフトは、フリボーイへ。どれも一〇〇年以上の伝統がある世界的な名門企業である。
キルチネル政権が物価統制を行ったのが、企業の営業不振につながり身売りの道へ追い込んだようだ。亜政府の物価統制は、原料コストにお構いなく介入するので労組も驚いている。