ニッケイ新聞 2007年10月24日付け
高野山金剛流御詠歌の発展を目的に国内外で公演活動を行なう高野山金剛流合唱団(山本文昭団長)は、公演「曼荼羅の響(まんだらのおと)」を十一月十一日午後二時から、文協大講堂で開催する。入場無料。
今回の公演の経緯は同合唱団から文協に連絡があり、開催に至ったもの。百周年を前年に控えた日系社会の人々を応援するためと、「御詠歌」をブラジルに住んでいる人たちに聞かせたいとアピールしている。
同合唱団は、八三年に発足。団員は僧侶の資格を持つ五十歳までの御詠歌師で構成されており、カーネギーホール(ニューヨーク、九七年)、ハワイ開教百周年記念公演(〇二年)などに出演、〇三年から国内各地で活発な活動を行っている。
御詠歌とは、いわゆる和歌や韻文に日本古来の音楽の節を付けた曲で、「御詠歌」と「和讃」の二つに分かれる。
金剛流御詠歌の特徴は、明るい曲調の曲が多く、旋律の優雅さ、歌謡法のこまやかさで、現在いくつもある御詠歌の流派の基となる流派ともいわれる。
山本団長は、「祖国を遠く離れて今日まで頑張ってこられた同胞のみなさまを応援したい」とメッセージを寄せ、多くの来場を呼びかけている。
案内のため来社した頃末アンドレ実行委員長は、「合唱団とのメールでのやり取りの中で公演に関する感想を聞くと『とてもよかった』や、『心が安らいだ』というような返事が返ってきた」と期待を表す。中野恵市副委員長も「『御詠歌』というものは知っていたが、ちゃんと聞いたことはない」と頃末委員長と声をそろえる。
当日は先着千二百人で、整理券を配布する。満員になることが予想されるため、同委員会では「早めの入場を」と呼びかけている。
詳しくは文協事務局(電話=11・3208・1755)まで。