ニッケイ新聞 2007年10月25日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】サンパウロ州工業連盟(Fiesp)統計部は二十三日、都市銀行の市中金利が十月当初に三五・五%から三五・七%へ引き上げられ、中央銀行の通貨委員会(Copom)が基本金利引き下げを停止した決定とはからずも一致したと発表した。金融市場の反応は、中銀決定よりも速い。基本金利の引き下げから引き上げへ一休止する間に、金融システムが一歩先に移行したのは銀行業界の常識とされる。銀行は資産効率に超敏感で、利益率は金融資産の多少に比例しないものという。
Copomの基本金利一一・二五%据え置き決定前に、銀行は金利を引き上げていた。九月は平均で〇・二%下げたが、十月は全てのクレジットが〇・二%上げた。市場は、中銀決定に大げさな反応をするものだ。特に引き下げよりも引き上げに、金融機関は過剰反応をする。
銀行は、インフレの到来を折り込み済みである。物価の上昇を見込んでの対策である。中銀は、基本金利を引き下げるチャンスを失ったと銀行は見ている。現時点では一一・二五%ではなく、一〇・五〇%であるべきであった。基本金利で引き下げができないなら、スプレッドでの引き下げしかない。
都市銀行が〇・二%引き上げても、市場に実際の動きはまだない。強いていうなら個人クレジットが、一・一%金利を上げた。これは十三カ月目給与の残り半分でクレジットを決済するとき、問題を引き起こすと思われる。十三カ月目給与の前半分が九月、すでに支払われたからだ。
一方、基本金利の据え置きで、公共債務に影響が出ている。外債は、基本金利据え置きがドルの下落を招き、外債は目減りして有利になった。国債は不利に。国債総額は九月、一兆二〇〇〇億レアルに達した。その利子支払いが、一一〇億レアルになる。