ニッケイ新聞 2007年10月26日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】リオデジャネイロ市を襲った集中豪雨は二十四日、同市南北地域を結ぶ拠点レボウサス・トンネルを土砂崩れで塞ぎ、全市をマヒ状態に陥れた。通常なら三〇分のコースが、トンネル閉鎖のため運転手らは四時間の行程を余儀なくされ、交通渋滞は全市に及んだ。
土砂崩れで一一区が停電、サントス・ドゥモン空港は営業さえできなかった。下町のバイシャーダ・フルミネンセでは、児童一人が濁流に呑まれ死亡。マラカナン川とジョアナ川は氾濫し、沿道のラジアル・オエステ通りが上下線とも水浸しになった。
盛り土のフラメンゴ高速道は通行止めとなり、車両はぬかるみを避け間道を迂回し、フラメンゴ海岸通りへ出た。通勤者には会社へ遅刻しないための予定外出費だ。
商店は売上が半減し、一五〇〇万レアルをフイにした。中心街の商店三万軒は毎日、二〇〇万人の顧客を迎えるが、普段の三分の一に留まった。ショッピング・センターは雨宿りの場に使われ、雨天は売上が伸びるが、昨日は例外であった。市民は渋滞と聞いて、家に待機したようだ。
リオは至るところで浸水したため乗用車を駐車場に置き、地下鉄へ走った。地下鉄は超満員のため在庫の全車両を引っぱり出し、回線を増やしフル運転を行った。切符売り場も、臨時の売り場を設けた。トロリーバスは、押し寄せた乗客で駅構内に入りきれなかった。
至るところで倒木があった。下水溝は、下から噴出する汚水で周辺に汚物が散乱し悪臭を放った。SOSは二〇五件に及び、カオス状態であった。二十四日は一カ月分の雨が降った。
マイア市長が消防団や市民擁護班は、平均値以内の雨量には訓練されていると述べた。それを超えると、不測の事態が次々発生するので混乱と紛糾は不可避という。レボウサス・トンネルの再開見通しは、現時点ではないと発表した。